アナリティクスの滞在時間について算出方法や意味を解説

アナリティクスの滞在時間

サイトを管理・運営されている方なら必ずチェックしておきたい項目のひとつに“滞在時間”というものがあります。

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そしてこの“アナリティクスの滞在時間”には2パターンあり、大きく分けて平均セッション時間とページ滞在時間という項目からチェックすることが可能です。

ただし、このふたつの滞在時間はそれぞれ概念が異なるため、アナリティクスが定義する算出方法や違いなどをしっかりと理解して改善に役立てることが重要となります。

また、改善を試みるとは言っても、単純に滞在時間が短ければ悪い・長ければ良いと決めつけるのも一概には難しく、様々な因果関係を元に参考にするべき指標で、当然コンテンツの内容にも左右されます。

例えばファーストビューで納得させてCVページへすぐに遷移させている場合、そのページの滞在時間は短いものの効果的・機能していることは明らかですよね?これが悩みに悩んで滞在時間が長いにもかかわらず離脱した場合だとどうでしょうか?この場合だとキャッチコピーや導線に問題があるかもしれないという仮説を立てて改善する際のKPIに設定して推移を検証することが大切です。

つまり滞在時間は平均値や相場というものがなく、それぞれサイトにも依存される数値となっているため、施策の前後で見比べる必要があるとういうわけです。

ということで今回は、アナリティクスで確認できる項目の中から、“セッション・ページの各滞在時間”について意味や改善方法などを詳しくご説明したいと思います。

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アナリティクスの滞在時間とは?

ではまずアナリティクスが定義する滞在時間とは、文字通りユーザーがサイトに留まっている時間といった意味となり、冒頭でもご説明した通りセッション・ページそれぞれの滞在時間が存在します。

やはりせっかく作り込んだコンテンツですから、長くしっかりと閲覧してもらいたい気持ちもわかりますが、すんなりと理解した上で問題解決し、検索行動を終えることができれば検索エンジンに質の高いコンテンツとして評価されるでしょうし、そういったサイトは恐らくセッション別ページビューも高い傾向にあるかと思われます。

この内“平均セッション時間”が長いということは、恐らく特化ブログ・サイトといった何らかのテーマに強みを持っていると思われ、リピート率も高く、さらに関連するコンテンツにも興味があるという理由から滞在時間も長くなるでしょう。

一方で“平均ページ滞在時間”が長いということは、コンテンツ自体が充実している、検索キーワードとコンテンツが合致している(ユーザーが求めているもの)などの理由からすぐには直帰しないためと考えられます。

このようにセッションでのサイト滞在時間を見るのか?それとも各ページごとの滞在時間を見るのか?それによっても対策すべき施策が異なるかと思われますので、改善したい内容によって着目するべき滞在時間が変わってくる指標であることを念頭に置くべきです。

どちらにしても、やはり質の高いコンテンツが肝となってくるわけですが、滞在時間を改善するには他にもいくつかの方法が考えられます。この改善方法については後ほど詳しくご説明していきます。

滞在時間の計測方法

続いて、この滞在時間はどのように計測されるのかというと、下記のアナリティクス公式ヘルプページにも記載されているように“ヒット”といった表現の仕方をしていますが、ここではページ遷移した瞬間を意味すると思ってください。

最後のページにエンゲージメント ヒットがない場合、継続時間は以下のように算出されます。最後のページでの最初のヒットの時間 – 最初のページでの最初のヒット
例:

  • ページ 1: 最初のヒットが午前 10 時
  • ページ 2: 最初のヒットが午前 10 時 5 分
  • ページ 3: 最初のヒットが午前 10 時 10 分

午前 10 時 10 分 – 午前 10 時 = セッションの継続時間 10 分(600 秒)

これによると、午前10時にランディング(ヒット)し、10時5分に2ページ目へ遷移し、続けて3ページ目へ10時10分に遷移しています。

そして、重要なポイントは最後にページ遷移した時間から最初にランディングした時間を引いたものが「滞在時間」として定義しているという点です。

つまり離脱となった最後のページの滞在時間は1セッションのうちにカウントしないということが理解できるかと思われます。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、要はヒットからヒットの間を“滞在時間”として計測するということで、離脱ページを閲覧している滞在時間は計測に含まれないということです。

これを元にすると、1ページで離脱した場合(直帰)のページ滞在時間も「0」となるわけです。(次のヒットがないため計測できない。)

滞在時間の善し悪し

では続いて、この滞在時間が長ければ良いのか?という点については、コンテンツの内容にも左右され、十分に時間をかけて閲覧してもらうべきページなら滞在時間は長くなるでしょうし、コンバージョンに繋がりやすいキーワードで集客したユーザーに的確なファーストビューを見せることによって誘導させたいボタンをすぐに押させることができれば滞在時間も短くなるでしょう。

つまり滞在時間の短い方が良いケースと悪いケースそれぞれが考えられるということで、例えばサイトの最終目標であるコンバージョン数を改善する指標のひとつとして考慮すると良いかと思われます。

これはセッション単位の場合だと1セッション当たりのページビューを増やすことも大切ですが、ページ単位の場合だとある程度時間をかけて読んでもらえる内容をしっかりと作り込む必要があり、どちらにしても以下のような内容もチェックした上で、ヒートマップなども参考にどこまでスクロールしたのか?どこで離脱したのか?などを考慮し、改善するべきかどうかを判断することが大切です。

  • 直帰率が高いのか?(1ページしか見ていない)
  • CTRの作り込みが弱いのか?(次に見てもらいたいページに遷移していない)
  • ほとんどクリックされていない導線が放置されていないかどうか?

この辺りが滞在時間をしっかりと理解するべき理由のひとつで、闇雲に滞在時間を伸ばそうとしても良い結果にはならないケースも大いに考えられるということを念頭に置くべきです。

平均ページ滞在時間とは

まずアナリティクスで確認できるふたつの滞在時間のひとつ“平均ページ滞在時間”についてです。
こちらは、“平均セッション時間”算出する元となるページ毎の滞在時間というものになります。

そして、この“平均ページ滞在時間”は、アナリティクスの「行動」>「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」から確認します。

ちなみにここに表示されているのは、ページビューですので、ランディングページやサイト内を回遊した中の1ページなどが含まれ、当然ですが閲覧したぺージ数を全て表示しています。

ただし、ここでは先ほどもご説明した通り直帰したページと離脱したページに関しては滞在時間の算出基準となるページ遷移したヒットがありませんから、計測不可能となり滞在時間は「0秒」として扱われてしまいます。

そのため、例えば下記の画像に表示されている一番上の16,670ページビューのページだと直帰率が81.99%ですから、滞在時間を実際に計測できている数は約3,003ページビュー(約13,667ページビューの数が直帰している。)となり、離脱率も79.39%なので約13,234セッション離脱しているページでもあることを考慮するべきです。(直帰したページは離脱ページでもあるため重複します。)

つまり、平均ページ滞在時間が3分49秒、16,670ページビューと表示されていますが、実際に表示されている数字は直帰・離脱を除いた平均ページ滞在時間となり、単純にページビューと平均滞在時間を紐付けて考慮するべきでないということがわかります。

本来なら、直帰したページや離脱したページの滞在時間も計測する仕様であればわかりやすいんですが、それぞれが「0秒」や「計測不可能」として扱われてしまう点が紛らわしいところです。

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平均ページ滞在時間を改善する

では、この平均ページ滞在時間を伸ばしたい・改善したい場合は、大きく以下のような施策が考えられます。

  • ランディングページから2ページ目も見てもらう
  • 読みやすさを考慮する
  • すぐに直帰されない工夫

先ほどもご説明した通り“平均ページ滞在時間”は5分間閲覧したとしても直帰したセッションを計算に含めませんから、まずは複数のページを回遊してもらう必要があり、さらに滞在時間を伸ばすためにも他にはない深掘りした内容が必要となります。

どのページを見ても書いてある内容が同じなら、競合との差別化にも当然なりませんし、もしかするとユーザーもある程度ならすでに知っている内容かもしれません。そもそもそういったページだと上位表示さえ難しいでしょう。

そこをさらに追求したコンテンツとして作り込むことによって、ユーザーもつい読み入ってしまうことで滞在時間も伸びるでしょうし、それだけ興味を引く内容でしたら関連するコンテンツにもページ遷移する可能性が十分考えられます。

ということはやはりサイト・ブログを本格的に運用していくのであれば、ブランディングの強化も考慮するべきで、“誰が何を発信しているのか?”といったことも意識することが大切です。

ただし、闇雲に滞在時間だけを改善しても目的がなければ意味がありません。
あくまでサイト・ブログの目標を達成することが目的ですので、それに対するKPIとして途中経過を比較すると良いでしょう。

コンバージョン率はサイトにもよりますが、例えば1〜2%だとすると滞在時間はそこまで問題ないかと思われます。(サイトとして機能しているため。)
それよりも実際にターゲットとしているユーザーにCVしてもらうことが大切ですので、集客ページ→キラーページといったページ遷移が理想です。
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平均セッション時間とは

続いてもう一方の滞在時間“平均セッション時間”とは、ページビュー数に関係なく1セッションに対する滞在時間を意味し、主に全体の平均値となるため、かなり曖昧な指標と言えるでしょう。

そしてこの数値を確認するには、アナリティクス管理画面の「オーディエンス」>「概要」に表示されている“平均セッション時間”から見る事ができます。

また、下記の公式ヘルプにも記載されているように、基本的には全ての滞在時間とセッション数を元に算出しますが、滞在時間を計測する特徴として最後に見たページまでは考慮しません。

平均セッション継続時間は、すべてのセッションの継続時間(秒単位)の合計をセッション数で割った値となります。
個々のセッションの継続時間は、セッション最後のページでのエンゲージメント ヒットの有無によって算出方法が異なります。

というのも…アナリティクスの滞在時間を計測する基本として、先ほどもご説明した通りページからページへの差分の時間を滞在時間としてカウントするためであって、離脱となる最後のページには当然次のページが存在しませんから、離脱ページの滞在時間はカウントに含まれないということです。(セッション自体はカウントします。)

ちなみに、以前ご説明した直帰率も同じくランディングページで離脱しているため、次に遷移したページがありません。これが滞在時間「0」と表示されてしまう理由です。

個別のセッション時間を確認する

上記の項目ではサイト全体のセッションに対する平均の滞在時間しかわかりませんが、他にもアナリティクスには「オーディエンス」>「ユーザーエクスプローラー」といった項目があり、ここでは個別に割り振られたIDによってユーザー毎の詳しいアクセス解析を行うことも可能です。

こちらでは“平均セッション時間”はもちろん、“セッション数”や“直帰率”など…より詳しくユーザー毎のアクセス解析が確認できます。

さらにIDによって紐付けられていますから、“クライアントID”をクリックすると以前のセッションまで辿ってどれほどリピートしているのか?といった情報までわかります。

ちなみに“すべてを展開”をクリックすると、セッションごとにページ遷移したログをチェックすることも可能で、コンバージョンタグを設置しておけばCVしやすいページの傾向なんかも把握でき、個別で確認する点が多少面倒ではありますが、定期的にユーザーがどういったページを辿っているのかを滞在時間とともにチェックすると参考になるかもしれません。(ページ滞在時間は細かく表示されていませんが、ページ遷移した時間が分刻みで記載されていますので、差し引いて参考にしてみると良いでしょう。)

下記の場合、セッションが切れて新たなセッションとして再訪問していることがわかりますね。ただし1ページだけで直帰していますから、滞在時間は「00分00秒」と表示されています。

また、クローラーを無駄に計測しないためにも念のため「管理」>「ビューの設定」>「ボットのフィルタリング」にチェックを入れておきましょう。

このように、アナリティクスのデフォルト設定では30分で一度セッションが切れ、同じユーザーであっても異なるセッションとして新たに計測開始されてしまいます。

通常はこの状態で問題ないかと思われますが、何らかの理由からこのセッション時間の設定を変更したい場合は、「設定」>「プロパティ」>「トラッキング情報」>「セッション設定」>「セッションのタイムアウト」から変更できます。

平均セッション時間を改善する

では、この平均セッション時間を改善したい場合、主に以下のような対策が考えられるかと思われます。

  • 1セッション当たりのページビューを増やす
  • 集客用ページから目的のページへ遷移させる
  • リピートを増やす
  • ブランディングを強化する

つまりセッション時間を長くするためには、1セッションごとに数多くページを閲覧してもらう、または1ページを長く見てもらう必要があり、その両方を何度も行ってもらうことが重要となります。

ということは、これらをKPIとして施策の前後でセッション時間の推移を検証するわけです。

そしてページビューを増やしたいのであれば、関連するコンテンツを作り込んで内部リンクとして繋げたり、ターゲットキーワードから派生する様々なコンテンツをひとつの記事に網羅するのではなく、狙っているキーワードを際立たせることによって滞在時間の改善にも期待できますし、関連するコンテンツが他にもあれば訪問ユーザーはそちらにも興味を持つはずです。

つまりユーザーはあれもこれも知りたいわけではないため、広く浅い知識の内容ではなく、ひとつのテーマで競合にはない深く突き詰めた内容が好ましく、じっくりと読み進められる工夫も当然必要となってきます。

こういったことを念頭に置いてサイト・ブログを運営・管理していくことによって滞在時間も長くなるでしょうし、後々ブランディングの構築にも繋がるでしょう。

直帰の扱いについて

ここでひとつ疑問となるのが直帰したセッションの「0秒」といった計測不能の滞在時間を平均値に含めるかどうか?です。

例えば下記の場合だと…直帰率から計算すると全体の約120,536セッションが直帰していることになります。つまり滞在時間計測不能のセッションです。

さらに面倒ですが、以下のように各セッション数とそれぞれの“平均セッション時間”を掛けて滞在時間の合計を出します。

  • Organic Search:5,885,105秒
  • Direct:324,220秒
  • Referral:267,904秒
  • Paid Search:53,001秒
  • Social:8,680秒
  • (Other):7,560秒
  • Display:143秒
  • Email:0秒

するとこのケースの場合、合計のセッション時間が6546,613秒となり、直帰率100%の滞在時間「0秒」を含めた合計が137,176セッションと表示されていますから、これを割ると47.72…となり、アナリティクスに表示されている平均セッション時間とほぼ一致します。

当然と言えば当然なんですが、つまり平均セッション時間では滞在時間「0秒」の直帰したセッション数も計算式に考慮されるというわけです。

そのため、直帰率が高いサイト・ブログだと平均セッション時間に大きく影響するということになります。

この“直帰率”について詳しくは、こちらの「直帰率の正しい意味と改善方法について」もぜひご覧ください。

まとめ

今回は、サイトに訪問したユーザーがどれほど滞在したのかを確認するアクセス解析のひとつ“アナリティクスの滞在時間”について“平均ページ滞在時間”と“平均セッション時間”の違いや意味・改善方法などを詳しくご紹介しました。

このように“平均ページ滞在時間”が直帰「0秒」と扱うセッションを含めないにもかかわらず短い場合、検索キーワードとコンテンツが合致していない可能性も視野に入れ、運良く他のページへ遷移しているものの次のページも閲覧している証拠でもありますので、コンバージョンに貢献しているかどうかを踏まえた上で改善が必要なページかどうかを判断します。

そして一方の“平均セッション時間”はひとつのセッションでページビューに関係なくサイトに留まっている滞在時間を表し、直帰や離脱の滞在時間は考慮しませんから、ここが極端に短い場合はまず大幅に平均値を短くしてしまう直帰「0秒」のセッションを減らす・直帰させない工夫が必要となります。

そのため理想としては、無駄なページが一切存在しない状態でサイトを管理し、特にページ数は重要ではなく、特化した関連コンテンツ群を作り込むことが何よりも重要度を増しています。

ぜひリピーター・ファンが増えるようなコンテンツを作り込み、思うように順位が付かなければ検索意図を考慮した上で何度もリライトを繰り返して質の高いページにブラッシュアップを試みてください。

そうすることで滞在時間を伸ばすことにも繋がるでしょうし、ブランディングの構築にも役立つはずです。

そのひとつの指標としてアナリティクスの滞在時間をしっかりと理解し、定期的にチェックしてみると良いでしょう。

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