賛同している人が多い物事に対してさらに人が集まる現象を意味する“バンドワゴン効果”をご存知ですか?
この“バンドワゴン効果”とは、Webマーケティングにも利用することができ、例えば行列のできている店舗だとどうしても気になってしまい、行列が行列を呼ぶように、人気店だと思わせることによってさらなる集客にも繋がりますし、Web上でも“1万人が愛用”や“1秒で5個売れた”など数字をうまく使うことで信頼感や期待感を得ることも可能です。
ただし、当然内容が良くなければリピートすることもありませんし、場合によってはクレーム対応に追われることも十分考えられますので、変にハードルを上げて期待感を煽るような手法として利用するのではなく、その商品に適したキャッチコピーなどに使用すると効果的です。
そして、こういったユーザー心理をうまく利用した“バンドワゴン効果”は日常にも多く見受けられ、例えば便利な商品やサービスで溢れる今、単純に機能性を謳う広告や宣伝では「モノ」が売れません。
この辺りに関して言うと…“人は感情でモノを買う”とよく聞くように、いくら便利なものであってもメリット・デメリットはもちろん、ベネフィットをうまく伝えなければ購入しようといった意識にはなりませんし、いくら広告費をかけて集客してもそれを回収するだけの利益には期待できないということになります。
そこで、今回ご紹介する“バンドワゴン効果”をしっかりと理解し、うまく利用することによって感情を揺さぶることにも繋がり、以下のように集団心理をうまくマーケティングにも活用できる手法のひとつというわけです。
- 人気商品であること
- 品薄になる可能性があること
- 誰もが持っている・話題にしている
これをうまく利用しているのが某レビューサイトで、口コミが多かったり平均の評価が高いお店だと“知人に紹介して間違いない”・“ここは絶対美味しいはず”といった心理効果が働き、ぜひ行ってみたいと思ってしまいますよね?これが広がっていけば、店舗名などが一人歩きして集客が集客を呼ぶ好循環が生まれるでしょう。
では今回は、数ある選択肢の中から多くの方がひとつに集中することによってさらなる期待感・安心感を獲得し、その影響力のある判断材料となる心理的要素を意味する“バンドワゴン効果”について、効果や活用方法、注意点などを詳しくご説明していきたいと思います。
目次
バンドワゴン効果とは?
“バンドワゴン効果”とは、下記のように一言で表すと流行に乗るといった意味があり、例えば多くの方が「A」と答えたとしたら「B」と決めていても思わずそちらを選択してしまうような集団心理・群集心理といった効果があり、先ほどご説明した通り感情で物を買う大きな指標のひとつにもなり得ます。
そのため、トレンドやブランディング、口コミや広告など幅広い購買意欲に効果的な心理学要素・意思決定要素となり、SNSなどでも多くの「いいね」が付くと同調効果によってさらにその数が増え、いわゆるバズを起こす要因としても考えられるでしょう。
「バンドワゴン」とは行列先頭に居る楽隊車[1]であり「バンドワゴンに乗る」とは時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗る[2]という意味である。経済学・政治学・社会学などで遣われる。対義表現は「アンダードッグ効果」[3]。
これをうまくWebマーケティングにも取り入れるべきで、特にcvに直結するようなキャッチコピーなどには積極的に取り入れ、人気商品であることや注文殺到中であることをイメージ付けることによってユーザーの購買意欲を刺激することに期待できます。
いくら高い機能性を詳細に謳っても商品は売れやすい状態にはなりません。そもそも“マーケティング”とはわかりやすく言うと…商品・サービスなどを売れやすい状態へ改善する行動を意味し、その要素のひとつとして今回ご紹介する“バンドワゴン効果”を利用するというわけです。
人気度がわかる
この“バンドワゴン効果”の特徴として、その商品・サービスなどの人気度を伝えることができるという点が挙げられます。
“人気がある”=“みんな持っている”=“良いものに違いない”=“自分も欲しい”といった行動心理に影響し、類似商品があったとしても広告戦略にうまく“バンドワゴン効果”を活用することによって市場のシェアを大きく獲得することも不可能ではありません。
そのため、例えば以下のような多くの方が購入しているので検討中の背中を押すようなキャッチコピーなどで目を惹き、今流行っている・人気があるということをイメージ付けることが可能です。
- 敢えて品薄であることをアピール
- 一人当たりの購入数を限定する
- “次回入荷未定”など希少価値の高さを伝える
- 値引き期間を短く設定する
- “残り○○個”など在庫数を表示する
- インフルエンサーにモニターになってもらう
要は流行を作り出し乗ってもらう・集団心理に乗ってもらうことがポイントとなりますので、様々な工夫が考えられるかと思われ、どういった訴求内容がユーザーに響くのか?自社で扱う商品・サービスなどをしっかりと理解した上でアピールポイントを大々的に伝えましょう。
これを理解することによって充実した機能性をいくらこと細かく伝えても商品が売れないということがわかりますね。
この辺りに関しては、消費者としての心理をよく理解した上で売れやすい流れを作り出すことが重要となります。
安心感を証明できる
上記に加え、多くの方が利用・購入している物やサービスなら安心できるといった“群衆心理・集団心理”にも関連し、どうも購入まであと一歩踏み出せない・今買っても良いけど今じゃなくても良い…といった場合に効果的と言えるでしょう。
これは例えば…以下のように人は“利益を得ること”と“リスクを負うこと”、このふたつを比べると圧倒的に後者の方が強いため、どうしても“損したくない”・“後悔したくない”といった感情が自然と強まってしまいます。
そしてこの“バンドワゴン効果”には“今買わないと逆に損をする”といった感情以外にも、多くの方が愛用しているのでリスクが少ないのでは?といった安心感を伝えることができるというわけです。
人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)があるということである。
つまりこれは商品・サービスにとっての安心感の証明にもなり、数多く存在する競合の中でも特に信頼のおける商品として自然とリスクを回避していることにも繋がっています。
この辺りの文章術などは様々なポップや今現在売れている商品のLPなどを参考にしてみると、色々な発見があるかもしれません。もちろん機能性は基本として抑えるにしても言い回しなどに着目するなどして、良い部分はどんどん取り入れていきましょう。
口コミも合わせるとより効果的に
次に、集団心理に“口コミ”が加わればより一層信頼性も増しますし、ユーザー側としてもメリット・デメリットを直に知ることが可能となります。
これが最近Google検索よりもTwitterやインスタグラムで検索し、実際に使用したユーザーの声を調べる層が増えている理由のひとつで、各種適切なSNSを連動させることも効果的なので、普段から役立つ情報を発信し、フォロワー獲得にも注力するべきと言えます。
そしてこちらも同じく群衆心理がうまく働けば、多少のデメリットは気にもなくなり、購入までのハードルは一気に下がり、マーケティングとして成功することになるはずです。
ということは、便利な商品・サービスが溢れる昨今、機能性に優れていることは最低限のラインで、後はどう売り込むのか?が鍵となり、最近ではこういったユーザーの声をうまくコンテンツとして活用しているサイトも非常に多く、広告などでは特に有名人を出演させることによって、その効果を倍増できることは誰もが周知の通りです。
そのため、“バンドワゴン効果”とはある程度作り出すことも可能で、幅広い選択がある中、一点に選択が集中した場合さらにそれを選ぶ人が増えるといった心理的要因をよく理解した上でマーケティングに取り入れることが大切であって、機能性・メリットばかり謳ってもうまく商品は売れないということを念頭に置いて戦略を立てましょう。
競合との差別化にもなる
続いて、“バンドワゴン効果”をうまく活用することができれば市場のシェアを大きく獲得することにもなり、競合との差別化を図ることも可能です。
というのも一点に集中して選択するユーザーが集まれば、それがどんどん相乗効果として増え続けていきます。この好循環を作り出すことに成功できれば、なかなか競合にシェアを奪還されることもありません。
よく超ロングセラーと呼ばれるような商品が今もなお売れ続けている理由には、そういった“バンドワゴン効果”も少なからず含まれているのでしょう。
他にも様々な選択が用意されているのにもかかわらずどうしてもそれを選んでしまう…といった多くの方が購入している商品は数え切れないほど存在し、そのシェアをひっくり返すほどの施策は容易ではないように、集団心理をうまく突いた商品の売出し方は今後重要度を増していくことと思われます。
特にWebマーケティングの場合、いくらアクセスが多くても正しいキーワード選定やライティング、内部導線・LPといった施策がうまく機能していなければ売上は伸びていきません。
何度も言うように人は感情によって「モノ」を買います。この部分にうまく“バンドワゴン効果”をキャッチコピーなどに活用し、今売れている・流行っている・誰もが注目しているといったイメージを強烈に擦り込んで感情を揺さぶるわけです。
対義となるアンダードッグ効果とは?
ちなみに、先ほどご紹介した“バンドワゴン効果”の対義表現となる“アンダードッグ効果”とは、集団心理によってより多くの客層が自然と集まる効果とは異なり、確立的に勝てない「弱者」や「物事」の頑張る姿勢に対して同情し、応援したくなる気持ちが多くの集客を生み、後に逆転勝利してしまう現象を意味します。
例えば何年もの間負け続けているチーム・グループなどに同情し、強烈なファン層を数多く獲得した結果、後に勝利してしまうことを意味するわけですが、そういった経験ありませんか?
弱いチームや頑張っている姿を見て応援したくなる気持ち、そしてそれらが増えていけば結果物凄い集客となり支持数が増える…よく選挙などを例にされているように、確定する前に勝利宣言をしてしまった場合、最悪こういった“アンダードッグ効果”によって逆転勝利されてしまうケースもありうるというわけです。
これを敢えてWebマーケティングに活かす必要はありませんが、頑張っている姿を共有することによって応援もしたくなりますから…この場合は営業などにうまく活用すると効果的なので、意味だけでも理解しておくと良いでしょう。
バンドワゴン効果の導入例
こちらについては若干これまでご説明してきた内容と重複するかもしれませんが、基本的に“バンドワゴン効果”とは簡単に言うと“流行”に乗ってもらうことです。
つまりこれから売り出したいものであっても…売れている・安心できる商品であることをアピールすることが大切です。例えば…
- 〇〇No.1
- アンケートで〇〇%の方が選んだ
- 前月売上〇〇%増
- 会員数〇〇万人突破
- 〇〇監修・プロデュース
といった数字などをうまく活用してキャッチコピーなどに使用します。それによって単純に「今売れてます!」というよりも実感が湧きますし、よりリアルに人気商品であることを伝えることが可能です。
逆に言うとLPなどにこういった文言をキャッチコピーとして置かなければ、訪問ユーザーの興味を惹くことができないままファーストビューから先に読み進めてもらえない状態となってしまいます。
そのため、「モノ」を売るということは、見た目よりもこういった感情をうまく揺さぶることが何よりも重要で、機能性について詳しく紹介したページなどを無理に導線を設置して見せる必要はありません。(そういったページは見たい人が自然と見るはずです。)
参考:景品表示法 | 消費者庁
Webマーケティングに活用する
これらを踏まえて、“バンドワゴン効果”はWebマーケティングにぜひ活用するすべき要素のひとつで、大体の商品・サービスには競合や類似商品があるはずです。その中でも消費ユーザーは購入するまでの間じっくりと比較・検討を行います。
そこでいくら高機能を謳ってもメリットだけでは人の感情は動きません。
ここに人気が集中していることや、もしかしたらこの先手に入りにくくなるかも?もしくは値上げする可能性があるかも…といった変に煽るのではなく、消費者心理を揺さぶることが重要となるわけです。
これは、よくショッピング番組なんかを分析してみるのも面白く、今もなお放送され続けているということはそれなりに効果があるということなので、番組の流れとして基本的な機能を抑えた後にはどういったストーリーで購入を促しているのかをチェックしてみると、さりげなく“バンドワゴン効果”を利用しているケースも珍しくありません。
こういった「モノ」を売るひとつの手法として様々な広告・LPなどを参考・考察してみるのも重要なヒントとなります。
一方で、ご自身でこれまで購入してきた「モノ」の中から決定的なポイントは何だったのか?といったことを思い返してみても良いでしょう。決め手は商品の機能性ではないはずです。“今買わないと逆に損をする”くらいに思える“バンドワゴン”に乗り遅れる焦りが生じていたのかもしれません。
数値化してCVに繋げる
Webマーケティングとしての最終目標はコンバージョン(CV)です。
このCVを最大化するためにも“バンドワゴン効果”は最適で、上記でも色々と例を出しましたが、やはり効果的なのは数値による根拠であり、どれくらいの人気度なのかをぱっと見で判断できるくらいに広告・LPに掲載し、期間を区切って最適化していきます。
そして、最近は特にバナーだと広告らしさ(セールス感)が出てしまうため、場合によってはクリック率が悪くなってしまうケースもあり、敢えて文字広告の方が効果的といったこともあり得ます。
そのため、いくつかのパターンを検証してみることも必要で、品薄を煽って商品を売るのではなく、いかに注目されている商品なのか?人気商品であることを魅力的に見せるのかがポイントとなり、今現在流行っている商品、売れている商品のCMやLPを参考にしてどういった工夫がされているのかをチェックしてみてください。
これは、ショッピングサイトなどで売れ筋ランキングなどを確認し、上位の商品名で検索してみると広告を出している企業もありますので、そういったLPを参考にすると良いでしょう。
特にLPは単純に派手にしただけでは目的を達成できません。あくまでユーザーが目で追っているのは文字です。気になっているポイントなど訴求するべき内容に“バンドワゴン効果”をさりげなく活用することによって感情も揺れ動き、購入という行動にステップアップします。
つまりWebマーケティングにおいて重要視すべきは“キーワードの選び方”となり、集客数よりも検索順位に重点を置くべきで、購入意欲の高いユーザーにこういった“バンドワゴン効果”などを活用して正しく商品をおすすめすることが何よりも大切な考え方となります。
まとめ
今回は、様々な選択肢がある中、ひとつに選択が集中した場合さらにそこに集中してしまう集団心理を意味する“バンドワゴン効果”について意味や効果的な活用方法について詳しくご説明しました。
このように“バンドワゴン効果”は、行列を見るとどうしても気になってしまう…味わってみたい・試してみたいなどの“みんな”と同じでありたいといった群集心理を意味し、Webマーケティングなどにもうまく活用することで効率良く売上にも影響する要素のひとつです。
ただし、あからさまに誇張した表現や嘘・根拠のない実績を表示するのは信憑性がなく逆効果となってしまいますので、事実に基づいた数字やソースを元に訴求内容をよく考えて活用していきましょう。
うまくいけば購買意欲の高いユーザーの集客がさらなる集客を生み、大きくシェアを獲得する可能性も0ではありません。ぜひ様々な広告やLPなどから“バンドワゴン効果”を読み取り、うまくご自身のサイトなどにも取り入れてみてください。
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