コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなりえる顕在層・潜在層へ価値ある情報をコンテンツ化し、例えば解決策を模索中の潜在層を購買ユーザー化・ファン化といった段階を踏んだステップアップを目的として売上を促進するWebマーケティング手法を意味します。
一方のSEOとは、あくまで検索順位を上げるための施策を意味し、コンテンツマーケティングと混合してしまっている方もいらっしゃるかもしれませんが、明確な違いがあることを覚えておきましょう。
この際、成功しやすいコンテンツ制作のポイントは、潜在層を集客するためにロングテールでの各ターゲットをしっかりと決め、セールス優先ではなく役立つ情報を正しく丁寧にコンテンツ化することに尽きます。
すなわち、検索キーワードを定めて、それに沿ったコンテンツを制作するSEO対策は基本として重要ではありますが、コンテンツとして質の高い内容を最優先させ、潜在層を育てるといった考え方も必要となるわけです。
そのため、コンテンツの拡散・露出といった意味ではSNSの強化は必須で、手法としては…ブログだけでなくホワイトペーパーやオフラインでのイベント、さらには映像など様々な方法が考えられるかと思われます。
最近では、こういった“コンテンツマーケティング”を戦略的に行う企業も多く、広告らしさを感じさせない魅力的なコンテンツが成功の鍵ともなっています。
では今回は、このコンテンツマーケティングとSEOの違いやそれぞれの意味などについて詳しくご説明していきたいと思います。
目次
SEOとコンテンツマーケティングの違い
コンテンツマーケティングとは、冒頭でもお伝えした通り潜在層・顕在層ともに価値ある情報コンテンツなどを発信し、CVへ繋げる手法を意味するのに対しSEOは検索キーワードで上位表示させるために行う施策を意味します。
そのため、コンテンツマーケティングでWebページが必要な場合、SEOで上位表示を目指すといったそれぞれの意味合い・違いがあるので、サイトの管理者であれば正しく理解しておきたい単語です。
また、コンテンツマーケティングは場合によって各種SNSであったりオフラインでのイベントなども含まれるので、SEOとの明確な違いがあることを覚えておきましょう。
目的の違い
このようにコンテンツマーケティングとSEOにはまず目的の違いが考えられます。
コンテンツマーケティングでは様々な手法を元にユーザーと接点を持ってコンバージョンへ繋げます。
もちろんその中にはSEOを用いた対策で上位表示を目指すといった手法も考えられますが、あくまでSEOは検索順位を上げることが目的となっているため、ここに大きな違いがあるわけです。
ターゲットの違い
また、ターゲットにも違いがあり、コンテンツマーケティングではコンバージョンを増やすことに注力するため、比較的顕在層をターゲットとしているケースが多く、一方のSEOでは潜在層を含む広いユーザーをターゲットに集客できるので、適宜ターゲットを選ぶ(キーワード選定)必要があります。
もちろんSEOでも顕在層をターゲットにする場合もありますが、売り上げに直結するようなキーワードは当然競合も多く上位表示することが難しいため、新規顧客になり得る潜在層もターゲットにしましょう。
SEOとは?
SEOとは主に検索順位を上げるために行う施策全般を意味し、内部・外部の対策からコンテンツ対策、さらにドメインの強弱やE-E-A-Tなど多岐に渡ります。
内部・外部の対策
まず内部対策とは、以下の通りざっと挙げても色々とあり、他にも色々と考えられます。
- 内部リンク
- 見出しタグ
- 構造化データ
- sitemap.xml
- パンくずリスト
- コンテンツの質
- ドメインの正規化
特に内部対策に関しては、クローラビリティの最適化と検索エンジンにどういう状態でページがインデックスされるのか?を考えてみると良いでしょう。
一方の外部対策とは主に被リンクを意味し、どれだけ外部からリンクをもらっているか?が重要となってきます。
これはどれほど注目されているのか?参考にされているのか?といった意味から信頼性・信憑性の高いサイト(ページ)と検索エンジンから評価されることによって検索順位にも良い影響を及ぼすということです。
ただ、あくまで外部からリンクを設置してもらう必要があるため、やはり質の高いコンテンツに注力することが重要となりますので、簡単な登録で相互リンクできるような対策は止めましょう。
E-E-A-TとYMYL
さらに最近だと、いくらコンテンツの内容が良くてもドメインの強さだけで上位表示でないジャンルも数多くあり、特にお金と命に関わるジャンルはYMYLと呼ばれ特に上位表示させることが難しく、キーワード選定する際は実際に検索してみて競合調査などをチェックしておくことも大切です。
場合によっては複合キーワードでターゲットを狭めた方が良い結果が得られます。(時間をかけてコンテンツを作り込んでも上位表示できなければアクセスは0のままです。)
そういったジャンルで上位表示させるにはE-E-A-T(Experience(経験/体験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の略)に長けたサイト・ブログであることが重要視されています。
要は権威性や信頼性の高い方が専門性の高いサイトやブログを作り、実体験を元に記事化したコンテンツが高く評価されるということです。
つまり今までの長文コンテンツといった専門性の高い内容も重要なんですが、「誰が」発信しているのか?ということも必須で、いくら丁寧に作り込んだとしても全く順位が付かないケースも珍しくありません。
コンテンツマーケティングとは?
次に“コンテンツマーケティング”とは、その名の通りコンテンツによってユーザーへ価値ある情報を提供し、従来のセールス感の高い広告によるマーケティングではなく、ユーザーとのコミュニケーションを計りながら最終的には全体の売上を促進するマーケティング手法です。
ここで重要となるのがターゲットとなるユーザーごとによって心理状態が異なるという点で、カスタマージャーニーマップを元にペルソナをしっかりと想定した上で適宜目的に合致したコンテンツが求められ、潜在層から顕在層まで至る様々なキーワードで集客することとなります。要は“Webマーケティング”の要素のひとつ“集客”に含まれる施策を意味します。
そもそも“コンテンツマーケティング”とは、2015年頃から急激に普及しはじめた言葉で、以前からも手法自体は存在していたようですが、広く認知され明確化されたのが同じくこの頃と思われます。
ご覧のようにGoogleトレンドを参考にしてみると2012年ごろから徐々にグラフが上がり、2015年ごろから急激に上昇しているため、最近では聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
そして、その手法としては具体的にひとつには限らず、自社で管理するオウンドメディアはじめ動画コンテンツやオフラインでのイベントまで多岐に渡ります。
そのため、コンテンツマーケティングとはブログを意味するとお考えの方も多いようですが、成功するためには意味や手法を理解して様々なメディアを通してコンテンツに活かすことが不可欠となるわけです。
コンテンツマーケティングがなぜ必要なのか?
ではなぜコンテンツマーケティングがこんなにも主流となったのでしょうか?
それは、まず最近のサイトやアプリ内の過剰な広告表示が原因のひとつとなっていて、以下のデータ(ウェブ上で広告ブロックを使用している各ディバイスごとのデータ)を見て分かるように多くのユーザーは一方的な広告を避ける傾向にあります。
※ちなみにこのレポートによると2016年には広告ブロックの使用率が30%上昇したとのこと。
つまり大ざっぱに言うと現在は便利な物で溢れているため、今までのような広告費をかけるマーケティングだけで商品が簡単に売れる時代ではないことを意味し、商品を売るというよりも価値そのものを売るといった意識改革が必要となり、コンテンツマーケティングを理解した上で悩みを解決したい顕在層・潜在層へ向けて役立つコンテンツをアピールしていくといったユーザーを育てるコンテンツが必要となるというわけです。
一方で、下記ページによるとマーケティングそのものは“売れる仕組み”といった表現もしています。
マーケティング概念を日本語で平易に言い換えた売れる仕組みという表現が存在する。
すなわち以下のような時代の流れを理解した上で、なぜ現在コンテンツマーケティングが必要となっているのかを理解し、コンテンツを利用して売れる仕組みを作ることが重要と言えるでしょう。
- マーケティング1.0:マス・マーケティング
- マーケティング2.0:生活者(顧客)志向のマーケティング
- マーケティング3.0:価値主導のマーケティング
繰り返しますが、現在ではサービスや商品の機能性がいくら優れていても広告だけでは売上をうまく伸ばしていくことは難しく、コンテンツマーケティングといったユーザーの心理状態から考慮したコンテンツを作り込み、潜在層に認知してもらうことはもちろん、そもそも興味を持ってもらうことがベースとなります。
コンテンツマーケティングの考え方について
一般的に、従来の広告は一方的・直接的な営業・売上を目的としていたことに対し、コンテンツマーケティングは付加価値をつけたコンテンツを提供することでユーザーとのコミュニケーションを通して信頼を得ることや、物の価値よりも役立つ情報を届けることを目的としています。
- 従来の広告:営業・売上を目的
- コンテンツマーケティング:必要な情報を提供
売り込みしないマーケティングといった意味では“インバウンドマーケティング”の考え方にも似ていますね。
そのため、コンテンツマーケティングで成功を収めている事例などを見てみると、意外性や面白い内容など感情を揺さぶられるようなコンテンツが多く、潜在層はそういった接点を通じてカスタマージャーニーマップ上のファンへとステップアップすることとなります。
ただし、コピーなどでユーザーが気になるような文言で集客や購買を狙ってしまうと広告感が出てしまい、これまでと同じく一気にユーザーは離れていくでしょう。
このようにコンテンツマーケティングは、ユーザーによってステマにも見えてしまう場合があるため、ライティングはもちろんサイト内導線に関しては細心の注意が必要であり、ユーザーを育てるための役立つコンテンツが目的のページとLPなどの商品に関するページは分けて考える必要があります。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
コンテンツマーケティング最大のメリットとは、コンテンツの作成自体にはコストはかかるものの、従来のような広告費を使わずに済むという点です。
とは言え、ユーザーが持つ悩みなどを先回りした上でキーワード選定を行い、そのワードで上位表示させなければうまく機能しないのも事実です。
ということは、そもそもコンテンツマーケティングに成功するには、ユーザーに価値あるコンテンツを提供するという概念が必要であり、その接点・繋がりを通して満足してもらえるだけのコンテンツ内容が重要となるわけです。
もちろん、短期的にコンテンツを広告費かけて露出するといった手もひとつかと思いますが、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供するため、長期的に見て運用していく必要があるという点がデメリットと言えるかもしれません。
しかし、上記のように現在は商品を円滑に売れるようにする仕組みを作ること自体非常に難しく、じっくりと長い目で見たマーケティング活動が必要となり、これに成功することで資産にもなりえる大きなメリットもあると言えます。
コンテンツSEOとの違い
次に、コンテンツマーケティングと混合しがちなコンテンツSEOとの違いについてですが、コンテンツマーケティングは役立つ内容をユーザーに提供するため、Web上に留まらずあらゆるメディアを介してユーザーに訴えかける考え方といったマーケティング手法としては比較的広範囲な意味合いとなります。
それに対してコンテンツSEOとは、あくまで手法は“SEO”ということでWeb上に限っての話となり、主にオウンドメディアなどをはじめとするコンテンツ内容で上位を獲得するという意味となるため、似たような考え方ではありますが、正確にはコンテンツマーケティングの手法のひとつにコンテンツSEOが含まれるといった概念となります。
また、現在のSEOはコンテンツ重視であることに間違いないため、コンテンツマーケティングをはじめたいとお考えの場合、ユーザーに役立つコンテンツによって上位表示させることが可能となるコンテンツSEOを意識してオウンドメディアではじめてみるのも良いかもしれません。
具体的なコンテンツマーケティングの方法について
コンテンツマーケティングと言えばブログと思われがちですが、有益で役立つコンテンツを公開することでユーザーとの接点・接触の回数を増やし、はじめは潜在層だったユーザーに対して直接的にセールスを行うのではなく商品・サービスに対する認知や興味を持ってもらうことが目的となるため、ブログ以外にもあらゆる手法が考えられるかと思います。
もちろん、その方法としてCMSを利用したブログでのオウンドメディアが適している場合も考えられますが、他にも動画やSNSなどを使う方法も合わせて適宜ユーザーに響くコンテンツを考えてみると良いでしょう。最近ではインスタグラムを活用した事例もよく目にしますね。
では、このコンテンツマーケティングを行う具体的な手順についてご説明していきます。
ターゲット(ペルソナ)選定
これはコンテンツマーケティングに限らず物を売るには重要な要素で、ペルソナといった具体的人物像を仮定した上でユーザーの立場・目線から悩みなどを特定していきます。
ここで想定するペルソナは、より具体的に詳しく書き出すことで、生活リズムから主に利用するデバイスや使用する時間帯、家族構成などからどういったキーワードで集客するのか?サービス・商品との接点などをよく考慮した上で適切な手段は何か?といった絞り込みに利用していきます。
もちろん潜在層も含まれるため複数パターン用意してみても良いですし、詳しく書き出すことで、そこからどういった方法で認知して興味を持ってもらうのか?といった戦略を考えやすくなります。
カスタマージャーニーマップの作成
次に、潜在層から認知・顕在化、購入やファンまでの段階・流れといった時系列をカスタマージャーニーマップと呼ばれるユーザーの行動状態を想定してそれぞれ設定していきます。
カスターマージャーニーマップとは、“AIDMA(認知/注意・興味/関心・欲求・記憶・行動)”や“AISAS(認知/注意・興味/関心・検索・行動・共有)”といった消費行動のフレームワークに沿ってペルソナの心理を当てはめたマップのことを意味し、フレームワークはサービスや商品の特性を考慮してカスタマイズして設定していきます。
下記画像は、架空の商品を元にカスタマージャーニーマップを作ってみたもので、詳細に作り込んだペルソナを元にフレームワークも多少カスタマイズして記入しています。
ここでは、フレームワークに対するペルソナの状態(サービス・商品の認知度など)を詳しく想定して埋めていきます。
こういったカスタマージャーニーがしっかりと用意できれば、例えば潜在層へ商品認知をさせるための施策は何か?といったコンテンツを用意する際に考えやすくなります。
コンテンツマップの作成
コンテンツマップとは、本来サイト構造を明確にするためのものですが、コンテンツマーケティングの場合、上記のカスタマージャーニーマップ上に落とし込んだペルソナのそれぞれの行動状態で適宜必要となるコンテンツを想定します。
下記の場合は、それぞれどういったコンテンツがユーザーとの設定に適切なのかを考慮した上で書き込んでいきます。
ここを整理することで、コンテンツマーケティングとは扱うサービスや商品によってはオウンドメディアだけでなく、動画配信やSNS、オフラインでのイベント等々、様々なケースが考えられることがわかるかと思います。
例えば、すぐには購入を決定することができない商品を比較・検討していた際、最終的な決定打として広告だけでは弱く、そこに辿り付くまでには以下のような様々な接点が考えられるかと思われます。
- 口コミでの評判が良かった
- メディアでも好評だった
- 店頭などで品薄だった
このように、最初は潜在層や認知程度だったユーザーを徐々に購入ユーザーへとステップアップさせるためのコンテンツを予め用意するといった戦略的なマーケティングが必要だということです。
ユーザーの心理状態はロングテールで拾う
上記のように、カスタマージャーニーマップにペルソナの行動状態を詳しく埋め、サービスや商品に対する潜在層がどういった状態にあるのかを考えてコンテンツを作っていくわけですが、この場合ロングテールで様々なキーワードを拾うことがひとつのポイントとなります。
というのも潜在層が知りたい・解決したい内容などはひとつではなく、行動状態によっても様々であり、キーワードとしての切り口も様々存在するはずで、そういった細かいキーワードをコンテンツとして配信していくわけです。
まとめ
今回は、広告費をかけた集客・売り込みではなく、ユーザーの行動状態を把握した上で適切なコンテンツを提供する“コンテンツマーケティング”についてSEOとの違いも合わせてご説明しました。
このコンテンツマーケティングは、ブログといったオウンドメディアからもはじめることができますので、コンテンツの一部として少しずつはじめてみても良いかもしれません。
そして、コンテンツマーケティングをWebページで成功するには、なんと言ってもまずはロングテールを拾うキーワード選定が重要となります。
ご自身のサイトで扱う商品やサービスなどに関連するキーワードを調べて、さらにそのキーワードに潜むユーザーのニーズをしっかりとコンテンツに落とし込むことが成功へのポイントとなることを念頭に置いてぜひ長い目で挑戦してみてください。
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