メルマガの配信を行っている方なら、必ず測定しておきたい項目のひとつに“メルマガ開封率”が考えられます。
メルマガは、送った後に効果測定をして改善を繰り返すことが大切で、効果のないメルマガは送信者側にとっても逆効果となってしまいます。
そのため、メルマガ送信後は最低限タイトルが魅力的だったかどうかを効果測定する必要があるわけですが、意外と開封率を調べる方法自体をそもそも知らない…といった方も多いのではないでしょうか?
ということで、今回はメルマガの開封率をGoogleアナリティクスを利用して計測する方法について、設置方法などを含めて詳しくご説明したいと思います。
目次
メルマガ開封率とは
まずはじめに、メルマガの開封率とは、その名の通りメルマガを配信してそのメールがどれくらいの読者に開封されたかを示す数値です。
この開封率を元に、ユーザーがぜひ内容を見たいと思わせるタイトルだったのかどうか?といった改善の参考にします。
開封率の計算
次に、この開封率の計算についてですが、これは単純に開封されたメールの数を送信したメルマガの数で割ることで計算することができます。
ただし、メルマガ配信時にはエラーによって送信できない場合も考えられますので、そういったエラーの数を差し引いた数で計算する必要があります。
例えば、100人のリストに送って、不達だったメールが10、開封されたメールが40としたら、
ということで、開封率は44%となります。
開封率の平均について
メルマガの開封率は、業種や送るリストの質によって左右され、さらにメルマガのタイトルや配信時間のタイミングなどによっても異なります。
そのため、メルマガ開封率の平均値は一概には言えませんが、しっかりと開封率を把握して、その数値を元に改善を繰り返すことが重要です。
開封率を計測する仕組み
メルマガの開封率は、今のところテキストメールでは技術的に計測するのは困難とされています。
なぜならば、本来メルマガの開封率を計測するにはメールにタグを埋め込み、メルマガが開封されたタイミングで、そのタグをダウンロードしたことによってメルマガが開封されたと認識するからです。
そのため、開封率を測定するためにはテキストメールではなく、タグを埋め込むことができるHTMLメールでメルマガを配信する必要があるわけです。
アナリティクスで開封率を測定する方法
アナリティクスの最新版“ユニバーサルアナリティクス”に変更となったことで、通常のアナリティクスタグによる計測以外にもMeasurement Protocolによる計測にも対応となりました。
このMeasurement Protocolとは、パラメーター付きのurlを利用して、通常のimgなどのタグに埋め込むことで、簡単にメルマガの開封数を計測することができるというものです。
Google アナリティクスの Measurement Protocol を使用すると、HTTP リクエストでユーザーの利用状況に関する生データを Google アナリティクス サーバーに直接送信できます。これにより、ほとんどすべての環境で、ユーザーがビジネスをどのように利用しているかを測定できます。また、Measurement Protocol を使用すると次のことも可能です。
- 新しい環境でユーザー アクティビティを測定する
- オンラインとオフラインでの行動を結び付ける
- クライアントとサーバーの両方からデータを送信する
urlを生成する
このMeasurement Protocolを利用するには、いくつかのパラメーターを追加したurlが必要となるわけですが、“Hit Builder”を利用することで簡単にそのurlを作成することができます。
参考:Hit Builder
まず、Googleアナリティクスで利用しているアカウントでログインします。(「Click her to authorize」をクリック)
パラメータの入力
続いて、必要なパラメーターを記入していきます。
ここで必須のパラメーターは以下の4項目です。
- v(プロトコルのバージョン)
- t(ヒットタイプ)
- tid(トラッキング ID またはウェブ プロパティ ID)
- cid(クライアント ID)
下記のリファレンスによると、プロトコルのバージョンは“1”、メルマガの場合ヒットタイプには“event”、トラッキングIDはプルダウンから選択することで最低限の項目は完了です。(cidは更新ボタンをクリックすることでランダムで入力されます。)
参考:Measurement Protocol のパラメータ リファレンス
開封率計測に必要なパラメーターの追加
続いて、“Add parameter”をクリックして項目を追加し、メルマガの開封率を計測するために必要なパラメーターを設定していきます。
パラメーター | パラメータ名 | 値の例 | 説明 |
---|---|---|---|
ec | イベントカテゴリ | イベントのカテゴリを指定します。 | |
ea | イベントアクション | open | イベントのアクションを指定します。今回は、開封(アクション)=openとしています。 |
dp | ドキュメントパス | /email/test | ドキュメントパスはアナリティクスに表示されるもので、スラッシュ「/」から始めます。 |
メールの開封はイベントとしてトラッキングする必要があります。カテゴリ(&ec)は email、アクション(&ea)は open を使用します。
urlの生成
以上の項目への入力が完了したら、「validate hit」をクリックし、Measurement Protocolのurlを生成します。
もし、入力内容に誤りがあれば、以下のようなエラーが表示されます。
よくあるのが、tidのトラッキングIDが選択されていないといった場合が多いので、確認してurlを生成しましょう。
また、正しく入力されていれば、以下のような画面となり、Measurement Protocolのurlが生成されます。
これを使うには、生成されたこのコードを「https://www.google-analytics.com/collect?」の後ろに追加します。
そして、このurlをhtmlメルマガに設置します。
読み込み速度の関係上、メール本文最後の方に記述することが推奨とされています。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN"> <html lang="ja"> <head> <meta http-equiv="Content-Language" content="ja"> <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8"> <title>test</title> <meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css"> </head> <body> <!-- メルマガ開封率トラッキングタグ --> <img src="http://www.google-analytics.com/collect?v=1&t=pageview&tid=UA-XXXX-1&cid=XXXXX-f4fe-460d-ae95-ff2621a77fd8&ec=email&ea=open&dp=%2Femail%2Ftest&cs=%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC(test)&cm=mail"> </body>
あとは、送信完了の数をこの開封された数で割ることで、メルマガの開封率を計算することができます。
メルマガ開封率の検証について
以上のコードを正しく埋め込んだ上でメルマガを発行すると、アナリティクスの“行動”>“イベント”>“ページ”に表示されている“合計イベント数”に開封された数値が計測されているはずなので、エラーを除いた送信完了数をこの数で割ることによって開封率を調べることができます。
※この“合計イベント数”は文字通りイベントが発生した回数を意味します。(メルマガが開封されたことを意味する。)
また、ここでは“ユニークイベント”といった数値も表示されていますが、以下の公式ページによると、この数値はセッション単位の計測となるため差異が生じるかと思われますので今回のようなメルマガ開封率を計測する場合は“合計イベント数”を参考にすると良いでしょう。(セッションが切れない状態で再度メルマガを開封しても計測されないと思われます。)
ユニーク イベント数は、1 人のユーザーが 1 回のセッションでコンテンツに対して起こしたインタラクション数です。
まとめ
今回は、メルマガの開封率をアナリティクスのMeasurement Protocolを利用して計測する方法についてご説明してきましたが、Hit Builderといったツールを利用して、いくつかのパラメーターを付与することで、簡単にメルマガ開封率を計測することができるurlを生成させることができます。
そして、こちらは一度設定しておくことで、後から使い回すこともできますので、ぜひ開封率を把握して、メルマガをより効果的に運用するようにしてみましょう。
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