canonicalタグを有効活用していますか?
この“canonical”とは、htmlファイルの<head>内に記述することでURLの正規化を目的とするもので、SEOにはぜひ知っておきたい重要なタグのうちのひとつです。
特に記事数が多い大規模サイトを管理している場合は、似たようなテーマ・コンテンツでインデックスされているとサイト全体の価値が下がります。
それ以外にも、“www”や、URL末尾に付く“/index.html(php)”などのあり・なしといった複数のURLからアクセスできてしまう場合も正規化が必要となります。
こういった類似するページの評価を統一して、正しく評価してもらうためにも、ページごとにしっかりと対策キーワードを選定することはもちろん、コンテンツの内容にもしっかりと気を使って作る必要があるわけです。
では今回は、このURLの正規化を意味する“canonicalタグ”の使い方などについて詳しくご説明していきたいと思います。
目次
canonicalタグとは?
まず、canonicalとは「カノニカル」と読み、直訳すると正準や標準といった意味で、Webページの場合は文字通りURLの正規化を意味します。
そもそもなぜこのタグが必要になるのかというと、主に以下のような理由が挙げられます。
- ドメインの正規化を行えない場合(サーバーの理由で301リダイレクトが使えない)
- “www”や“/index.html(php)”などのあり・なしを統一するため
- PC・スマホ各ページを別々のURLで管理している場合
- パラメーターの有無によってアクセスできてしまうURLを正規化するため
- 類似するURLの中から正規のURLとして評価してもらうページを指定するため(重複ページの解消)
中でもECサイトなど、商品の色違いといった多少の違いだけで複数ページが存在している場合、インデックスされなくても良い、しかしページを削除したくない…といったこともあるかと思います。
この場合、canonicalタグを利用して検索エンジンに重複ページの存在をしっかりと伝え、正規として評価してもらうページを指定することで、クロールを優先し、評価を落とすことなくランキングに反映されるといものです。
また、これと少し似たケースで最近多いのが、大規模サイトのキーワードバッティングによるトラフィックの伸び悩みです。
こういった場合は、重複してしまっているページをcanonicalで正規化するのではなく、記事を統合・場合によっては削除することによって、重複ページを回避することができます。
canonicalタグの位置・書き方について
このタグは、各htmlファイルの<head>内に記述します。(<body>タグ内にあるとGoogleでは無視されます。)
サイトを静的ページで管理している場合、ファイルをコピーして使い回すことも多いかと思いますが、このcanonicalタグの書き換えをしっかりと確認して、適宜必要であれば変更・削除しておくようにしましょう。
ちなみに、このタグの効果についてですが、検索エンジンに対してそこまで強い強制力を持ちません。
あくまで重複しているページをクローラーに伝え、その中から正規ページとしてクロールしてほしいページを伝えるものであって、noindexや301リダイレクトといった強力な効果を持つタグというわけではありません。
そのため、確実に違うページを参照してほしい場合は301リダイレクトを利用するようにしましょう。(この場合は重複しているページを統合した時などに使用します。)
書き方については、下記のように正規化させたいURLを指定するといった記述で問題ありません。
※重複していると思われるページ全てに設置して使用します。
<link rel="canonical" href="https://keywordfinder.jp" />
canonicalタグは絶対パスで記述する
この正規化させたいURLの指定は相対パスではなく、絶対パスで記述するようにしましょう。
これは、canonicalタグが後ほどご説明するクロスドメインにも対応しているということや、下記の公式ヘルプにも記載されているためであって、強制力こそありませんが、間違いなく正しいURLを指定することが大切です。
rel=”canonical” リンク要素では、相対パスではなく絶対パスを使用します。
canonicalタグの使い方
canonicalタグの記述方法については先述した通りですが、このタグの使用目的には、先ほどもご説明した通りいくつかのパターンが考えられます。
ここでは、canonicalタグを使用するべきいくつかのパターンをご説明していきたいと思います。
自己参照によるcanonicalの指定
このcanonicalタグは、重複しているページに正規ページのURLを指定して記述するものなので、基本は指定先となるページには記述の必要がありません。
しかし、重複にはパラメーターの有無によってもアクセスできてしまう可能性があります。それが何らかの理由でインデックスされ、検索結果にも表現されているとなれば完全に評価が分散してしまいます。
これを未然に正規化して防ぐために、自己参照といったcanonicalの指定を行っても問題ありません。
最近では、ほとんどのページに自己参照によるcanonicalタグを設置しているページを多く見受けられますので、例えばメルマガ配信の検証などにパラメーターを利用している場合などは特に設置しておいても良いかもしれません。
パラメーター付きurlを正規化する
上記のように、URLの正規化にはパラメーターの有無といったパターンも考えられます。
この場合、正規化するためのパラメーター付きURLページが動的といった場合もあるので、上記のように自己URLを静的として指定しておきます。
そうすることで、どんなパラメーターが付いても正規と見なすページはひとつとなりますので、クローラーも迷うことなくサイト内を巡回することができるでしょう。
2ページ目移行のcanonical指定について
続いて、トップページやカテゴリといった2ページ目以降の続きとなる場合のcanonical指定についてです。
これは、評価してもらいたいという点で言うと全てのページをトップ、またはカテゴリトップに向けて指定したくもなりますが、この場合は重複しているわけではありませんのでページ分割を意味する“prev・next”といったタグを指定しましょう。
こうすることで、検索エンジンは分割されたページを正しく判断することができ、評価することができます。
評価を高めるために使用するものではないということを理解しましょう。
また、「rel=”prev” rel=”next”」については、こちらの「rel=”prev”とrel=”next”の正しい使い方について」もぜひご覧ください。
301リダイレクトとの違いについて
このcanonicalはURLの正規化を行うためのタグです。
そして、301リダイレクトも同じく正規化するために使用されます。
では、この違いは何かというと…301リダイレクトは、その名の通り閲覧しているユーザーに対してページ遷移を行います。
そして、ページの価値そのものをジャンプ先のページへと渡します。(301の場合は恒久的)
そのため、301リダイレクトは以下のようにドメインの正規化以外にも効果が期待できます。
- ページを統一して必要ないページからのリダイレクトを行う
- 何らかの理由からURLを新たにする場合に評価を落とさないために使用
※詳しくは「301リダイレクトとは?評価を引き継ぐ設定方法について」をご覧ください。
一方、canonicalタグの場合は、先ほどもお伝えした通りクローラーに優先してほしい正規のページを伝えるものです。
そのため強制力も弱く、もちろんページ遷移は行いません。Web上にもページは存在し、閲覧もできますが、評価としては正しく正規化されています。
このように、どちらも用途は同じようにも見えますが、実際にはいくつかの違いがあるため、正しく理解した上で適宜使用するようにしましょう。
PC・スマホで別々のurlで管理する場合(alternateの併用)
次に、PC・スマホで別々のURLで管理しているサイトの場合です。
この場合、アクセスするデバイスによってURLが異なるものの、内容が同じなので検索エンジンから見ると重複となってしまいます。
これを回避するために、canonicalとalternateといったタグをそれぞれ指定して、クローラーにPC・モバイル用ページの存在を伝えましょう。
指定方法は、PCページの方にモバイル用ページがあることを伝えるために、下記のように“alternateタグ”を使用してURLを指定します。(<head>内に記述します。)
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="https://sp.keywordfinder.jp" />
そして、モバイルページにPC用ページの存在を伝えるために“canonicalタグ”を使用してURLを指定します。
<link rel="canonical" href="https://keywordfinder.jp" />
ただ、この設定は対象となるページ全てに必要となるため、ページが多いサイトの場合だと非常に管理が煩雑となってしまう可能性があります。
さらに今後“モバイルファーストインデックス”の導入によって、今までPC用ページを評価対象としていたものが、スマホ用ページを評価するようになるため、検索順位を落とさないためにも、モバイル用ページだからといってコンテンツを部分的に省略することなくしっかりと作り込むことが重要です。
noindexとの併用について
例えば、ページの内容が重複しているからといって該当ページに“noindex”を利用したくなるかもしれませんが、noindexは重複となっているページを解消するためのタグではなく、お問い合わせページをはじめとする、コンテンツとして質の低いページをインデックスさせないためのものです。
そのため、サイト内で重複しているページがあるのなら、canonicalタグを正しく記述・設置しましょう。それによって、クローラーが重複・正規として優先すべきページを判断できるようになります。
または、対策キーワードは異なるものの、コンテンツ自体が似通っているという意味で重複している場合は、記事を統一・リライトすることがユーザー・検索エンジンのためになります。
つまり、まとめると以下のように“canonical”と“noindex”は併用して使うことはないということがわかります。
- インデックスの必要があり、重複もしていない(通常あるべきページ)
- インデックスの必要があり、重複しているのなら“canonical”の設置、またはページの統合・リライト
- インデックスの必要がない場合は“noindex”
まとめ
今回は、重複したURLを統合するための“canonicalタグ”についてご説明しました。
上記のように、サイト内には各テーマ(キーワード)に対して適切な質の高いコンテンツを重複することなく公開しておくことが大切です。
そして、コンテンツとなる検索クエリの“応え”が似たページの存在は、ユーザーにとっても利便性が高いとは決して言えないため、同じくGoogleもそういったページ・サイトを高く評価することはないでしょう。
そのため、ドメインやURLの正規化はもちろん、重複しているページがないか定期的にチェックすることも重要です。
この“canonicalタグ”などを正しく設置して、検索エンジンに正規としてクロールしてもらうページを伝えてサイト全体を高く評価してもらいましょう。
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