ROASとは?広告の費用対効果を知る重要指標を解説

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ROAS

ROASとは“Return On Advertising Spend”の頭文字を取ったもので、かけた広告費に対してどれだけ売り上げたか?“広告の費用対効果”を意味し“ロアス”と読みます。そしてこの“ROAS”は主に広告の効果を測るひとつの指標でもあり、“100%”を基準に効果の大小をチェックして今後の広告戦略などに活かすためのものです。
※単位は割合なので「%」

そのため広告を出稿している際は、このROASを見て効果を判断し、数値が高ければ高いほど効果的・低ければ効果はなかったということになります。

要はサイトの最終目標“コンバージョン”に対するKPIのひとつで、これを元に何を改善すると良いのか考えるべきです。

また、単純に売上げベースで算出するROAS以外にもROI(アールオーアイ)といった指標もあり、こちらは““Return on Investment”の略で“投資収益率””を意味し、例えば10,000円(原価2,000円)の商品を広告費100,000円かけて20個売った場合だと以下のようになります。(利益÷広告費×100で計算します。)

このケースで見ると、広告費100,000円かけて200,000円の売上げを得ているので広告の効果はあると思われますが、一方で原価や経費を引いた利益ベースで見てみると60%となり、場合によっては利益がほとんど出ていないケースも考えられますのでROASだけでなくROIも合わせて確認することが大切です。

  • ROAS:200,000円÷100,000円×100=200%
  • ROI:200,000円-(2,000円×20個+100,000円)÷100,000円×100=60%

特にこのROASとROIに関しては混合してわかりにくいかもしれませんが、わかりやすく言うと…売上げベースで割合を考慮する(ROAS)のか、それとも経費や原価などを引いた利益ベースで割合を考慮する(ROI)のかの違いで、ROASでざっくり効果があるのかどうかをチェックし、ROIで利益率を確認するというわけです。

ただ、どちらにしても割合としての数値なので実際いくらの金額なのか不明というデメリットや、ROASで効果が出ていると思っていても経費をかけすぎていてROIが低すぎるケースも考えられますので、CPA(1件当たりのコンバージョン獲得単価)も合わせて広告の効果測定を確認してください。

では、今回はサイトの効果測定やWebマーケティングに必要な指標のひとつ“ROAS”について、意味や改善方法、ROIやCPAとの違いなど詳しくご説明していきたいと思います。

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ROASとは

“ROAS”とはECサイトや通販などでかけた広告費に対してどれだけの売上げ(コンバージョン×商品単価)があったのか?その回収率を示すもので、100%を基準値としてざっくりと広告の費用対効果を調べるものです。

例えば100万円の売上げを広告費50万円で得た場合、ROASは200%となりますので効果があると考えられますよね?それがもし50万円の売上げを広告費100万円で得たとしたらROASは50%となりますので、費用対効果が悪いと考えられます。(1円で2円回収しているのと1円で0.5円回収しているようなものです。)

つまり効果的な広告であれば広告費を増額することによって売上げも伸びていくことが予想されますので、その広告の効果測定としても検証できますし、逆に効果的ではない広告を削除・改善する必要があるということに気付くこともできます。

ただし、ここでは原価や経費などを考慮していないので単純に売上だけを見ています。そのため、ROASの目標値としては高ければ高いほど良いんですが、110%や120%程度だとROIで見た時に利益が発生していない可能性もありますので注意してください。

このことから広告を配信する際にはROASだけでなくROIやCPAなんかもしっかりと理解しておくべき指標で、効率良く広告を運用するため、そしてそれぞれのパフォーマンスを知る上で必要な要素となるわけです。

そして自社として目標の損益分岐点を見つけ、改善する余地がある広告や投資に関しては適宜対応し、粗利を上げていくことがマーケティングにとっても非常に重要な考え方となります。

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ROAS・ROI・CPAの違い

ROASは広告費の回収率、ROIは投資に対する利益率ということはおわかりいただけたかと思います。

そしてその違いは単純に売上げだけを見ているのか?それとも原価や経費など差し引いた粗利を元にしているのかということで、基本となる計算式はそれぞれ「売上÷広告費×100」・「利益÷投資額×100」です。

例えば10,000円(原価1,000円)の商品を広告費100,000円かけて10個売ったとします。この場合ROASは以下の通り基準となる100%でも100,000円の売上げを得るために100,000円の広告費をかけているため、ぱっと見だと損失は出ていないように見えるものの、原価や経費などを考慮していないので投資利益率はかなり低い状態として見ることができます。

一方、同じ数値でROIを見てみると以下の通り投資に見合った利益は出ていないことが明確です。そしてこの場合だと原価と広告費で110,000円かかっているので、最低でも11個以上売り上げなければ損失となってしまうというわけです。(11個売った場合ROIは0%となるため、基準値はROASとは異なり0%となります。

  • 100,000円÷100,000円×100=100となり、ROASは100%
  • (100,000円-(1,000円×10個+100,000円)÷100,000円×100=-10となり、ROIは-10%

このようにROASが広告費に対する売上を知るための指標(広告費の回収率)で、一方のROIは投資額に対する利益を知るための指標(投資に対する利益率)です。意味としては非常に似ていますが、ROASは単純にどれだけ売れたのか?のに対しROIは原価や経費を引いた利益ベースで計算しているため、どれだけ売れたのか?どれだけ利益が取れたのか?といった違いがあります。

そしてROIについては0%を損益分岐点としているため、たとえ100%を切っていたとしても利益は出ていることになります。(あくまでその時点で利益が出ているのかどうか短期としての指標となります。)

続いて“CPA”についても違いを覚えておきましょう。これは“Cost Per Action”の略で“顧客獲得単価”を意味し、1件当たりどれほどのコストがかかったのか?といった指標で、「コスト÷売れた数」で求めます。

ちなみに上記の場合だと広告費100,000円で10個売れたのでCPAは10,000円となります。(10,000円で1個売れたということ。)また、CPAではコストを求めるので単位は「円」です。

もちろんこのCPAは低い方が利益にも直結しますので、広告運用を改善する際の指標となり、上記のROASとROIと合わせて確認し、適宜対策を考えるようにしましょう。

この「CPA」について詳しくは、こちらの「CPA(Cost Per Acquisition)とは?意味を詳しく解説」もぜひご覧ください。
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ROASの計算式

ROASの算出方法に関しては上記でご説明した通り以下の式から算出します。
何度も言うようにこのROASに関しては直訳すると“広告費のリターン”となり、広告費に対してどれほど回収できたか?を単純に算出します。

そのため、1円に対する売上げも把握でき、広告費の回収率もわかるので、広告を評価するための指標として活用するものです。

  • 「売上÷広告費×100(%)」

これを元に出稿中の広告を効果測定し、伸びている広告はさらにコストを増やし、逆に伸び悩んでいる広告に関しては改善を行ったり、削除して新たな広告展開を試してみるといったことが可能となります。

つまりROASを活用するメリットとしては広告運用の見直しに重宝する指標で、ぱっと見でどれくらいの費用対効果があるのかが判断できます。(実際の売上げ金額を見ても割合がわかりません。)
ただし、あくまで割合としての数値だったり、ROIやCPAなども合わせて広告の効果を知る必要があります。

例えばRAOS(回収率)だけを見ていても実際の原価や投資額(広告費など)を差し引いた割合や実際の数値も見なければ、実は赤字だったというケースも珍しくありません。

そしてCPAが低ければ低いほどROASやROIも割合が高くなりますので、以下のような視点から広告運用に役立てると良いでしょう。

  • 広告回収率はどれくらいなのか?
  • 原価や広告費を差し引いた利益率はどれくらいなのか?
  • 顧客獲得単価はいくらくらいなのか?
  • 現状いくらくらいの粗利なのか?(実際の金額)

上記の要点を見るとおわかりいただけるかと思いますが、ROASは単純に何個売れたのか?ではなく広告費に対する売上げの回収率を見ているため、商品単価も大きく影響してきます。これをROIやCPAと一緒に照らし合わせて広告の評価を行うというわけです。

ROASの改善方法

このROASを改善・上げるためには、主に以下の項目が挙げられます。そもそもROASは「売上÷広告費×100(%)」から算出されるので、単純に売上げを伸ばす・広告費を効率良く運用することに尽きます。

  • 商品単価を上げる
  • CVRを上げる
  • CPAを下げる
  • 広告内容を見直す

要は広告費に対しての回収費を上げることが重要で、大げさに言うと100,000円の売上げを広告費10,000円で回収した場合のROASは1000%となり、基準となる100%を大幅に超えます。

そして、これらを実現させる施策が上記の項目で、どれも簡単ではありませんが、細かく調整していくことで広告の最適化にもなりますし、何より無駄な広告費を見つけて停止・削除することも可能です。

他にも広告配信に関してターゲットは正しいのか?そのユーザーに対して適切な内容(コピーなどの文言)になっているのか?ランディングページの内容と乖離していないか?など広告の効果測定によって仮説・施策・検証を繰り返すことでROASの改善にも繋がります。

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単価を再考する

まずROASを改善するために商品単価を上げられないか検討してみましょう。
もちろん単価を上げるとなればそれだけの付加価値が必要となりますが、他にもアップセルやクロスセルも考慮して顧客単価を上げられないか考えてみてください。

後は期間限定のプレミアム商品を取り扱ったり、抱き合わせのようなセット商品による割安感を演出して自然と単価アップさせる施策を行います。

ここを上げることが一番簡単そうに思われますが、もちろん売れる個数にも影響してきますので、一気に顧客離れさせない工夫が必要です。

アップセルとはワンランク上の商品やバージョンを用意してそちらをおすすめすることによって顧客単価を上げる方法で、一方のクロスセルとはそれに付随する関連商品を一緒に購入してもらって顧客単価を上げる方法です。レジ周辺に色々な商品が置かれているのはそういった理由のためです。

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CVRを改善する

次にCVR(コンバージョン率)を上げるためには、そもそもコンバージョンのハードルを下げてみたり、集客ページとキラーページを分けて考えてサイト内の導線を再考するなど様々な要因が考えられます。

また、どういった経路を辿ってCVしているのかを調べてそこを強化することも大切ですので、ぜひアナリティクスのコンバージョンタグを活用してCVRの改善に役立ててみてください。
参考:「アナリティクスでコンバージョンを計測するための設定・確認方法について

これに関してはライティングによる誘導も重要となってきますので、様々なページをよく読んだり導線の配置やCTAも参考にしてみてください。他にもCVさせるページには必要ないリンクを極力置かない・マイクロコピーによってユーザーの不安を取り除くといったこともCVRに影響するため、ヒートマップでサイト内のユーザー行動を確認してみるのも良いでしょう。

他にも一番購入意欲のあるユーザーとは一度購入してくれたユーザーです。このユーザーをリスト化して定期的にメルマガなどで接触を図り、再度購入してもらうというのも効果的です。

この“CVR”について詳しくは「コンバージョン率(CVR)とは?意味と改善方法について」もぜひご覧ください。

まとめ

今回は広告の効果測定にも役立つ“ROAS”について意味と改善方法、さらにROIやCPAとの違いなど詳しくご説明しました。

このようにROASは“Return On Advertising Spend”の略語であり、“広告の費用対効果”を意味し、単純に売上げだけをベースにした割合なので、あくまで広告の評価を行うために使用する指標であり、実際の利益率はROIでチェックし、同じくCPAで顧客獲得単価をうまく組み合わせて広告の最適化に役立てるようにしましょう。

また、こういったROASなどの指標は広告をCVR以外からも評価することで、より細かな貢献度なども把握でき、どれほど売上げや利益として回収しているのか?といった短期的・長期的な効果が理解できるため、それぞれしっかりと理解した上で活用してください。

他にも配信先の広告によっても効果が異なりますので、比較することで相性の良い媒体なんかも見つけられるかもしれません。

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