サブドメインとサブディレクトリの違いをしっかりと理解していますか?
サイトやブログを独自で管理するには“ドメイン”の取得が必要となります。
この辺りは、コンテンツを後々資産化させるために多くの方がブランディングなどの目的のために行っているかと思われます。
そのドメインにWordPressなどを利用して記事を投稿していき、テーマ・キーワードによってカテゴリやタグを使ってユーザーにとって利便性の高い構築を行っていくわけですが、こういったサイトを管理する際、ディレクトリの内容によっては以下のように同じドメイン上に置く、または別のドメインで管理するといった選択をしなければいけません。
- https://content.sample.com/⇒サブドメイン
- https://sample.com/content/⇒サブディレクトリ
上記の場合、“sample.com”がドメイン名となり、サブドメインに使用する名称はご自身で自由に決めることができます。
というのも…サブドメインとサブディレクトリはURLが似ているようで検索エンジンから見ると別のサイト・ページとして認識しますが、全くの別ドメインのような評価というわけではなく、互いのリンクも内部リンクとして扱うため、どちらかに付いた外部からの被リンクも全く無駄になることもありません。(後ほどGoogle公式のYouTubeによる動画もご紹介します。)
そのため、サブドメインとして細分化したからといっても、検索エンジンからの評価が最大限に活かせないということもないので、SEOを意識した使い分けというよりもサイトが持つテーマ・専門性を担保するために必要な策として考えると良いでしょう。
このように最近のSEOでは専門性も重視されるようになり、一貫性のない記事の数だけカテゴリができてしまうような完全な雑記ブログではうまくドメインも育ちにくい状態となってしまいます。
つまり、サイト・ブログはある一定のテーマを元に対して構築していき、専門性を高めていくべきであって、全く異なるテーマの記事を投稿するなら、URLを分けて(サブドメイン)管理するべきです。
では、今回は“サブドメインとサブディレクトリの違い”やそれぞれのメリット・デメリットなどについて詳しくご説明していきたいと思います。
目次
サブドメインとサブディレクトリとは
まずはじめに、サブドメインとサブディレクトリについてですが、“サブドメイン”とは本来取得したURLを細分化して全く別のURLとして管理するもので、それに対して“サブディレクトリ”とはひとつのドメインに対して階層を作ってコンテンツを投稿していく通常の運営方法とも言える方法です。
そして、サブドメインの場合でも検索エンジンは完全な別のURLとして評価するわけではありませんが、サイト管理者はそれぞれのドメインをしっかりと育てていく必要があります。
ただ、この辺りはコンテンツを作り込む内容(テーマ)によってうまく使い分けるべきで、サブディレクトリで区切ってコンテンツを量産するのか?それともドメイン自体を細分化して専門性を持たせるのか?といった内容をはじめのうちからしっかりと練っておく必要があるわけです。
もちろん、それぞれメリット・デメリットがあり、この辺りをはじめのうちからしっかりと理解しておかなければ、ドメインが育った後に大きな変更が必要となる場合もあり、そうなった際には一時的でも大きくアクセスを落としかねません。
そもそもテーマがバラバラの状態で同一のドメインで管理・運営していると検索エンジンになかなか専門的な内容であることだと認識してもらえない可能性もあるため、順位が上がりにくい状態であることが十分考えられます。
つまりオウンドメディアなどのブログを運営し、集客に成功させるためには事前のテーマ戦略が必要で、どういったキーワードで上位を狙うのか?この辺りは闇雲に記事などを投稿しても効果的とは言えないため、ターゲティングやテーマによってサブドメインとサブディレクトリを使い分ける必要があります。
すなわち単順に作業は増える形となり、中途半端で更新を止めてしまうくらいなら、ひとつのドメインをじっくりと育てていく方が後の集客の伸びとしては期待できるものと思われます。
充実したコンテンツ、またはミニサイト…どちらを選ぶかはもちろん自由ですが、集客に成功するにはしっかりとしたキーワード選定から検索意図のチェック、的を射た深掘りしたコンテンツが必要となります。
キーワード選定におすすめのキーワードツールをご紹介しています。
サブドメインとサブディレクトリの違いについて
では、サブドメインとサブディレクトリの違いとは…上記でもご説明した通りで、格納する個別ページをまとめるのか?別々で管理するのか?といった違いがあります。
または、ひとつのドメインをじっくりと育てていくのか?それとも多少異なる事業展開を行う場合に使い分けるもので、評価としては全くの別物とはなりませんが、ユーザービリティなどを考慮して効果的な方法を選択する必要があります。
そして、今後の運用方法はもちろん、それ以外にもアナリティクスやCVを追う際の解析方法なども考慮しておく必要があります。(クロスドメイン間での解析設定などは多少設定などが面倒です。)
※ここではクロスドメインの設定などは割愛しますので、詳しくはこちら「クロスドメイン トラッキングを設定する(analytics.js) – アナリティクス ヘルプ」を参考にしてみてください。
では、なぜサブドメインとして細分化する必要があるのかというと?サイト・ブログのテーマに一貫性を持たせることができるということが大きな理由のひとつで、サービスなど異なる事業ごとのアクセス解析を行う場合にも非常に便利となります。
もちろん、全く別のドメインで取得し直すという方法も考えられますが、同ブランドとしての事業展開を行うにはユーザーにとっても非常にわかりやすく信頼性にも繋がり、膨大な記事やコンテンツ、カテゴリなどを煩雑になることなく整理しておくことができます。
リンクの扱いについて
サブドメインの場合は検索エンジンにとって別サイトとして評価するということは、互いに設置したリンクは外部リンク(被リンク)として効果的と思われるかもしれませんが、以前まではその通り被リンクとして扱われていたものが、2011年8月31日にGoogleから公式発表された記事によると…内部リンクとしての扱いに変更となっています。(※サーチコンソール内では別扱いとして表示されています。)
そのため、被リンク獲得を目的としたサブドメインでの運用はSEO的に効果的とは言えません。
あくまでテーマ(カテゴリ)を考慮し、サブディレクトリで運用するのか?それともサブドメインで別の事業を展開するのかを決めましょう。
参考:Official Google Webmaster Central Blog: Reorganizing internal vs. external backlinks
昨今のSEOは基本コンテンツ重視です。もちろん内部・外部のリンクなど重要な要素も多く存在するのも確かですが、まずはコンテンツを重視しなければ安定した自然検索からの流入は見込めません。しっかりとSEOの基礎を理解しておくことが重要です。
サブドメインとは
では“サブドメイン”から詳しくご説明していきたいと思います。
下記のようにドメインの手前にドット(.)で区切った形(contentの部分)で分割されたもので、サブドメインを作成することによって主要ドメインを管理しているサーバー上に新しくディレクトリが生成されます。
- https://content.sample.com
このサブドメインの作り方は、取得したドメインを設定したレンタルサーバーにて作成します。(反映までに多少時間がかかる場合があります。)
※詳しくはレンタルサーバーの“よくある質問”などを参考にしてみてください。
そして、この場合の扱いとしては先ほどご説明した“サブディレクトリ”とは異なり、検索エンジンからすると全く別のサイトとみなされますが、全く評価が別々というわけではなく、先ほどご説明した通りサブドメインからのリンクが内部リンク扱いとなることからもわかるように、ユーザー・検索エンジンに対して同じドメインで異なるテーマを展開していることをうまく伝える手段とも言えるでしょう。
そのため、ひとつのブランドから様々な事業展開を行うといったテーマや毛色の異なるコンテンツを量産しなければいけない場合に適切な方法と言え、例えば下記の「楽天」のようにそのコンテンツに適切なサブドメインを作成し、運用・管理を行っていきます。
- 楽天:https://www.rakuten.co.jp/
- 楽天トラベル:https://travel.rakuten.co.jp/
- 楽天モバイル:https://mobile.rakuten.co.jp/
- 楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/
上記の各サービスを見てみると、各種テーマが同じコンテンツに関してはやはりサブディレクトリで対応していることがわかります。
サブディレクトリとは
続いて“サブディレクトリ”とは、フォルダといった言い方の方が馴染みがあるかもしれませんが、各ページを格納するカテゴリーやタグ、WordPressの場合だと様々なアーカイブとしてのフォルダが自動で作成される階層に当たるものです。
例えば以下で言うとURLの“/content/”の箇所を指し、ドメイン直下に追加していき、必要であれば入れ子のようにして階層をさらに作っていきます。
そのため、基本的な概念としてはカテゴリトップに内部リンクが集まるはずで、さらにサイトトップが一番強くなるはずです。
- https://sample.com/content/
ただしカテゴリの関連性を考慮した上で階層を作るべきで、クローラビリティなどの利便性を考慮すると、あまりにも階層を深くした場合、閲覧ユーザーにとっても良い影響となるとは思えないため、この辺りはしっかりと計画的にカテゴライズ設計しておく必要があります。
いくらパンくずリストで辿れるとは言っても、サイトの利便性に考慮したシンプルなディレクトリ構造を心がけましょう。
また、この辺りに関してはテーマによっても対策が異なり、検索順位やテーマを考慮して敢えてカテゴリに“noindex”を付与し、別途まとめ記事で評価を高める方法で上位表示を獲得しているサイトも多く見受けられます。
もちろんWordPressにて自動で作られるアーカイブページなどは“noindex”で問題ないかと思われますが、特にカテゴリとタグは以下のパターンから一番効果的な方法で管理するようにしましょう。
- カテゴリ・タグともにインデックスさせる
- カテゴリ・タグともにnoindex
- カテゴリをインデックス、タグをnoindex
通常は全てインデックスさせても問題ないかと思われますが、対策するキーワードが重複してしまう可能性がある場合など何らかの理由がある場合は、検索順位の推移を考慮した上で管理体制を考慮してみてください。
それぞれのメリット・デメリットについて
こういったサブドメインとサブディレクトリについては上記でご説明した通りですが、基本はテーマを考慮した上で管理するドメイン・ディレクトリを選択するべきで、それぞれメリット・デメリットもあります。
まず、同一のドメインに追加していくサブディレクトリでは、以下のようなメリットが考えられます。
- 専門性を高めることが可能
- 情報量を集中して増やすことが可能
- アクセス解析がシンプル
それに対して、サブディレクトリのデメリットとしては…規模の大きなサイトの場合だと大量のコンテンツを投稿することになるため、キーワード(ページタイトル)はもちろん、コンテンツ内容のカニバリ(重複コンテンツなど)を起こす危険性があるという点で、最近は特にこういった原因によってアクセスを大きく落としているサイトも多いため、キーワード選定から検索意図、コンテンツの内容なども重要視されています。
一方ドメインを細分化するサブドメインでは、以下のようにシンプルなファイル・ページ管理を行うことができるという点が最大のメリットと言えるでしょう。
- ドメイン費・管理費のコスト
- ブランディングを担保できる
- メインのドメインとは異なるテーマで専門性を持たせることが可能
- 独立したアクセス解析が可能
それに対して、デメリットとしては…他のサブディレクトリ間をページ遷移した後のCVまでのユーザー行動を解析する場合に複雑となってしまう(クロスドメインの設定)ことや、サブドメインにするだけの専門性が必要となるため、それなりのページ数などのボリュームが必要となる作業コスト面といったところです。
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SEOに有利な使い分けについて
これまでを踏まえて、SEOに有利なのはサブドメイン・サブディレクトリどちらなのかというと…基本的にどちらでも同じです。
これは、2017年12月21日にGoogle Webmasters公式ページからYouTubeに投稿された下記の動画を参考にしてみると、サブドメインとサブディレクトリには優劣の差はないと説明されているように、上記でご説明した通りひとつのブランドの中で異なるテーマ・事業を行うならサブドメインは区切って管理するべきで、それ以外だと同一テーマで記事を発信していくことが重要ということになります。
ということは、やはり昨今のSEOは被リンク目的で敢えてサブドメイン管理といった安易な対策では効果的とは言えず、それよりも豊富なコンテンツを定期的に発信し続けることに目を向け、キーワードが持つ需要・ニーズをしっかりと調査した上で適切な関連コンテンツを検索ユーザーに提供することを重要視するべきでしょう。
競合よりも専門性を高めることができれば、検索エンジンからの評価としても有利になりますし、安定した検索順位が望めるかと思われます。
そのため、ある程度コンテンツが増えてきて、カテゴリを整理した際、一部のコンテンツをサブドメイン化するというのもひとつですし、今後どのようにブランディングや事業展開していくのかにもよります。
まとめ
今回は、サイト・ブログなどの“サブドメインとサブディレクトリの違い”やそれぞれのメリット・デメリットなどについて特に重要なポイントをご説明しました。
このように検索エンジンからの評価は基本的に同じく、カテゴリを同じドメインの“サブディレクトリ”で構築していくのか?それともテーマの異なるコンテンツを広げていくために“サブドメイン”でそれぞれの専門性を高めていくのか?といった視点で決めると良いかと思われます。
SEOはこういった多少テクニカルな知識も必要となってくる場合があるので、しっかりとサブドメインとサブディレクトリの違いや使い分ける理由や目的を理解した上で、ユーザーだけでなく検索エンジンに評価されるサイト作りを心がけましょう。
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